「千葉と船橋、どちらも受けられる学区に住んでいるのに、偏差値の数字以外に何を比べればいいのか分からない」。公立高校には1校しか出願できない千葉県で、中学生の保護者が秋に抱えやすい迷いです。
答えは、両校が公表している「選抜・評価方法」にあります。どちらも総得点の9割近くを2日間の学力検査が占め、内申の差は総得点にするとごく小さく、作文は10点です。違いは、県立船橋に数学と理科を1.5倍で数える理数科があること、そして募集人員と倍率です。
神奈川の公立上位校で進路指導をしてきた立場から、千葉県教育委員会が出している実施要項と入試結果、2校がそれぞれ出している配点表を順に読み、学校ごとに偏差値・配点・令和8年度の倍率・塾の候補をまとめます。
この記事のサマリー
- 偏差値:県立千葉75、県立船橋は普通科72・理数科71。いずれも新教育研究協会の模試で合格可能性80%にあたる値で、2026年11月1日にインターエデュで確認
- 合否の決まり方:令和9年度は両校とも学力検査・調査書(評定合計×0.5)・作文の総得点の順。県立千葉と県立船橋の普通科は577.5点満点、県立船橋の理数科は677.5点満点
- 内申の重さ:評定1段の差は総得点で0.5点。オール4とオール5の差でも13.5点で、学力検査の13.5点と同じ
- 令和8年度の倍率:受検者÷入学許可候補者で、県立千葉約1.34倍、県立船橋の普通科約1.87倍・理数科約2.05倍。3つとも前年度より上がった
- 理数科:数学・理科の得点を1.5倍。県内全域から出願でき、同じ学校の普通科を第2希望にできる
- 塾:臨海セミナーは2026年度に県立船橋42名・県立千葉8名の合格を公表。船橋駅・西船橋駅・津田沼駅にESC難関高校受験科を置き、県立船橋では1番目、県立千葉では京葉学院(千葉高85名)に次ぐ2番目の候補
目次
県立千葉高校の偏差値75と、作文60分を含む577.5点満点の選抜
県立千葉高校(千葉市中央区葛城)は、JR本千葉駅から徒歩10分、京成千葉線の千葉中央駅から徒歩15分、千葉都市モノレールの県庁前駅から徒歩9分の場所にあります。千葉駅からは外房線・内房線で1駅の本千葉駅が最寄りです。県立千葉中学校を併設しているため、高校から入る生徒の枠は定員より小さくなります。
出典:千葉県立千葉高等学校「所在地/アクセス」(2026年11月1日確認)
偏差値75は、新教育研究協会の模試で合格可能性80%の線
75
80偏差値(新教育研究協会の模試)
71
合格可能性60%の偏差値
577.5点
令和9年度の総得点の満点
240名
令和8年度の募集人員(一般入学者選抜)
インターエデュが掲載している県立千葉高校の偏差値は、80%が75、60%が71、40%が67です。80・60・40は合格可能性の割合で、同じ偏差値の受験生が100人いれば80人が合格する値が「80偏差値」にあたります。新教育研究協会が実施する模試の受験者の中での数字なので、別の模試の偏差値とは並べられません。模試の判定の読み方は、模試の判定の見方を解説した記事が参考になります。
出典:インターエデュ「千葉県立千葉中学校・千葉高等学校」高校入試偏差値(偏差値データ提供:新教育研究協会。2026年11月1日確認)
併設中からの進学者を除く募集240名に、受検者は321名
令和8年度の県立千葉は、募集定員320名のうち、県立千葉中学校からの進学者を除いた240名が一般入学者選抜の募集人員でした。2月5日の志願者は345名で、志願変更の締切までに332名へ13名減り、確定した志願者は331名(志願倍率1.38倍)です。本検査の受検者は321名、入学許可候補者は240名で、受検者は募集の約1.34倍でした。
| 年度 | 募集人員 | 志願者(確定) | 受検者 | 入学許可候補者 | 受検者÷候補者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和8年度 | 240名 | 331名 | 321名 | 240名 | 約1.34倍 |
| 令和7年度 | 240名 | 323名 | 303名 | 241名 | 約1.26倍 |
受検者は前年度より18名増え、倍率は約1.26倍から約1.34倍に上がりました。受検者の4人に1人ほどが合格に届かない入試で、合格者と不合格者を分けるのは、次に見る総得点のうち学力検査の点数です。令和9年度の募集定員も320名で、県立千葉中学校からの進学者を含む扱いは変わりません。
出典:千葉県教育委員会 令和8年度 志願者数一覧/志願・希望変更状況一覧/入学許可候補者数一覧/令和7年度 入学許可候補者数一覧/令和9年度 募集定員(2026年11月1日確認。倍率は受検者確定数÷入学許可候補者数を筆者が計算)
作文は600〜800字、2人の評価者が字数と内容をa・bで見る
| 選抜の資料 | 満点 | 中身 |
|---|---|---|
| 学力検査 | 500点 | 5教科×100点 |
| 調査書 | 67.5点 | 9教科の評定の全学年合計(135点)×K=0.5 |
| 学校設定検査(作文) | 10点 | 600字以上800字以内・60分 |
| 総得点 | 577.5点 | 2段階の選抜は行わない |
作文は、2人の評価者が「字数(指定された字数に対して過不足がない)」と「内容(与えられたテーマに対して内容が適切である)」の2項目を、それぞれa(満たしている)・b(満たしていない)で評価し、組み合わせで得点にします。どちらかの項目で2人ともbをつけた場合は、審議の対象になります。調査書でも、評定1または未評価の教科があると審議の対象です。
点数の幅は10点しかなくても、作文と評定1の2つは「審議の対象」という別の扱いにつながります。60分で800字までを書き切り、テーマから外れないことは、点を取りにいく以前に崩してはいけない条件です。
出典:千葉県立千葉高等学校「令和9年度 一般入学者選抜の選抜・評価方法」(PDF)(2026年11月1日確認)
県立千葉は学力検査の500点で順位が決まる入試
577.5点のうち500点、約87%が学力検査です。調査書はオール5でも67.5点で、オール4との差は13.5点にとどまります。合格者の内申は高い水準にそろいやすいため、実際に順位を分けるのは2日間の5教科の得点です。県教育委員会が公表している令和8年度の5教科の平均点は県全体で281.9点で、学校ごとの合格者の平均点は公表されていません。塾や個人サイトに載っている「目標点」は、出どころを確かめてから使ってください。
県立千葉を目指す場合の対策の重点は、次の3つです。
- 5教科の失点を教科ごとに記録し、毎月の模試で同じ単元の失点が続く教科から手を入れる
- 9教科で評定1を出さず、実技教科も含めて評定を下げない(審議の対象を避ける)
- 作文は60分・600〜800字を本番と同じ条件で書き、テーマへの答えを最初の段落で示す
この章のキーポイント
県立千葉高校の偏差値は合格可能性80%で75(新教育研究協会)。令和9年度は学力検査500点・調査書67.5点・作文10点の577.5点満点で、2段階の選抜はない。令和8年度は募集240名に受検者321名で約1.34倍。順位を分けるのは学力検査で、作文のbbと評定1は審議の対象になる。
県立船橋高校は普通科72・理数科71、577.5点と677.5点の2本立て
県立船橋高校は、普通科と理数科を1つの学校に置き、学科によって学力検査の数え方を変えている学校です。同じ学校を受けるのでも、普通科で受けるか理数科で受けるかで、数学と理科の1点の重さが変わります。出願の前に、2つの学科の違いを数字で押さえておく必要があります。
東船橋駅から徒歩7分、普通科320名・理数科40名の募集
72
普通科 合格可能性80%の偏差値
71
理数科 合格可能性80%の偏差値
320名
普通科の募集定員(令和9年度)
40名
理数科の募集定員(令和9年度)
県立船橋高校(船橋市東船橋6-1-1)は、JR総武線の東船橋駅から徒歩7分、京成電鉄の船橋競馬場駅から徒歩12分です。東船橋駅は総武線各駅停車で船橋駅と津田沼駅にはさまれた駅で、どちらの駅からも1駅で着きます。インターエデュの掲載値では、普通科の偏差値は80%が72・60%が68・40%が64、理数科は80%が71・60%が67・40%が63です。
令和9年度の募集定員は普通科320名、理数科40名です。県立千葉と違って併設の中学校はなく、定員の全部が一般入学者選抜の募集人員になります(普通科は、このうち一部を海外帰国生徒の特別入学者選抜で選びます)。
出典:千葉県立船橋高等学校「所在地/アクセス」/インターエデュ「千葉県立船橋高等学校」(偏差値データ提供:新教育研究協会)/千葉県教育委員会 令和9年度 募集定員(2026年11月1日確認)
普通科は志願変更で40名減っても受検597名、1.87倍だった
令和8年度の普通科は、2月5日の志願者が660名(志願倍率2.06倍)で、志願変更の締切までに620名へ40名減りました。確定した志願者は618名、受検者は597名で、入学許可候補者320名(一般入学者選抜等313名・海外帰国生徒の特別入学者選抜7名)に対して約1.87倍です。理数科は志願者89名から確定88名、受検者82名に対して入学許可候補者40名で、約2.05倍でした。
| 学科・年度 | 募集人員 | 志願者(確定) | 受検者 | 入学許可候補者 | 受検者÷候補者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 普通科 令和8年度 | 320名 | 618名 | 597名 | 320名 | 約1.87倍 |
| 普通科 令和7年度 | 320名 | 587名 | 551名 | 320名 | 約1.72倍 |
| 理数科 令和8年度 | 40名 | 88名 | 82名 | 40名 | 約2.05倍 |
| 理数科 令和7年度 | 40名 | 66名 | 63名 | 40名 | 約1.58倍 |
普通科は受検者が前年度より46名、理数科は19名増えました。普通科では受検者の4割余りが合格に届かず、理数科では半分以上が届いていません。志願変更で40名が他校へ移っても2倍近い倍率が残ったことは、県立船橋を最後まで出願先に残す受験生が多いことを示しています。
出典:千葉県教育委員会 令和8年度 志願者数一覧/志願・希望変更状況一覧/入学許可候補者数一覧/令和7年度 入学許可候補者数一覧(2026年11月1日確認。倍率は筆者が計算)
理数科は数学・理科を1.5倍した600点満点で比べる
| 選抜の資料 | 普通科 | 理数科 |
|---|---|---|
| 学力検査 | 500点(5教科×100点) | 600点(国語・社会・英語は各100点、数学・理科は1.5倍して各150点) |
| 調査書 | 67.5点(評定合計×0.5) | 67.5点(評定合計×0.5) |
| 作文 | 10点(500〜600字・50分) | 10点(500〜600字・50分) |
| 総得点 | 577.5点 | 677.5点 |
理数科では、数学と理科の2教科で学力検査の半分の300点を占めます。数学で10点多く取れば、総得点では15点の差です。逆に、数学や理科で崩れたときの失点も1.5倍で響きます。普通科では5教科が同じ100点ずつなので、得意な教科で稼ぎ、苦手な教科の失点を抑える組み立てがそのまま使えます。
作文は普通科・理数科とも500字以上600字以内・50分で、県立千葉と同じく2人の評価者が字数と内容をa・bで評価し、bbなら審議の対象です。調査書は各学年の必修教科の評定に1があると審議の対象になります。両学科とも2段階の選抜は行いません。
出典:千葉県立船橋高等学校 令和9年度 選抜・評価方法(普通科)/同(理数科)(PDF。2026年11月1日確認)
普通科と理数科、出願前に比べておく5つの項目
| 比べる項目 | 普通科 | 理数科 |
|---|---|---|
| 偏差値(80%) | 72 | 71 |
| 募集定員 | 320名 | 40名 |
| 学力検査の数え方 | 5教科とも100点 | 数学・理科を1.5倍 |
| 出願できる地域 | 住んでいる学区(船橋市は第2学区)と隣の学区 | 県内全域 |
| 第2希望 | ― | 同じ学校の普通科を書ける |
理数科は専門学科のため、学区の制限がなく県内全域から出願できます。普通科は、住んでいる市町村が属する学区と、その隣の学区の高校にしか出願できません。理数科を第1希望にして普通科を第2希望に書く場合は、普通科の学区の条件にも当てはまっている必要があります。第2希望の学科の選抜は、第1希望の受験生を優先するのが原則です。
出典:千葉県教育委員会 令和9年度千葉県公立高等学校入学者選抜実施要項(第2希望・学区・理数科の倍率。2026年11月1日確認)
この章のキーポイント
県立船橋高校の偏差値は普通科72・理数科71(合格可能性80%、新教育研究協会)。普通科は577.5点満点、理数科は数学・理科を1.5倍して677.5点満点。令和8年度は普通科約1.87倍・理数科約2.05倍で、どちらも前年度より上がった。理数科は県内全域から出願でき、普通科を第2希望にできる。
千葉県の公立入試は、2日間の学力検査と学校設定検査の総得点で決まる
千葉県の公立入試は、1回の本検査(2日間)で合否を決めます。公立高校は1校にしか出願できず、他の公立高校との併願はできません。選抜の資料の配点は県の実施要項が決める範囲の中で各高校が定め、その「選抜・評価方法」を各校のウェブページで公表しています。
本検査は2月16日・17日、5教科の解答はマーク式と記述式
| 日程 | 内容 |
|---|---|
| 2027年2月16日(火) | 国語(50分)・数学(50分)・英語(60分、放送によるリスニングを含む) |
| 2027年2月17日(水) | 理科(50分)・社会(50分)、午後に学校設定検査 |
| 2027年2月25日(木) | 追検査(体調不良などで本検査を受けられなかった受検者が対象) |
| 2027年3月2日(火) | 入学許可候補者の発表(インターネット特設サイト) |
各教科は100点満点で、解答はマーク式と記述式の両方です。令和8年度の県全体の5教科平均点は281.9点で、前年度の262.8点より19.1点上がりました。県の「学力検査結果の概要」は、複数の解答を選ばせて全部正しいときだけ正解とする問題や、理由を書かせる問題を設けたと説明しています。上位校を目指す受験生にとっては、部分点が出ない形式で取りこぼさないことが得点の土台になります。
出典:千葉県教育委員会 令和9年度入学者選抜実施要項/学力検査の実施教科及び出題方針等/令和8年度 学力検査結果の概要(PDF)(2026年11月1日確認)
調査書は135点満点に0.5を掛けた67.5点、1段の差は当日の0.5点
調査書の得点は、9教科の評定(5段階)を中学1年から3年まで合計した135点満点の値に、各校が0.5から2の範囲で決める「K」を掛けて出します。県立千葉と県立船橋はどちらもK=0.5で、満点は67.5点です。評定が1段違うと総得点の差は0.5点、学力検査の0.5点と同じです。調査書の記載事項に加点する学校もありますが、両校は加点を設けず、特に優れた記載を総合的な判定の参考にするとしています。
神奈川の公立入試に長く関わってきた目で千葉の選抜・評価方法を読むと、内申の扱いの軽さがまず目に入ります。中3の評定を1つ上げても総得点では0.5点ですから、内申を上げるために当日の勉強時間を削る判断は、この2校ではほとんど成り立ちません。私が保護者に伝えるとすれば、評定は「1を出さない」「大きく崩さない」の守りに置き、伸ばす時間は5教科の答案に回してください、ということです。
住んでいる学区と隣の学区、理数科は県内全域から出願できる
県立高校の全日制普通科には学区があり、住んでいる市町村が属する学区と、その隣の学区の高校に出願できます。県立千葉は第1学区(千葉市)、県立船橋は第2学区(市川市・船橋市・松戸市・習志野市・八千代市・浦安市)にあります。理数科などの専門学科は県内全域が学区なので、県立船橋の理数科は県内のどこからでも出願できます。
出典:千葉県教育委員会 令和9年度入学者選抜実施要項(別記「県立高等学校通学区域に関する規則」。2026年11月1日確認)
藤原メソッドの5区分で、県立千葉と県立船橋はどこに入るか
藤原メソッドでは、志望校を「最難関公立/難関公立/中堅上位公立/中堅公立/私立難関」の5つに分けて塾選びの条件を決めます。この区分は神奈川の学校を例に作ったものなので、千葉の学校にそのまま当てはめてはいません。県立千葉と県立船橋は、合格可能性80%の偏差値が72〜75で、総得点の9割近くを学力検査で競う入試であることから、私は2校とも最難関公立として扱います。区分ごとの通塾開始の目安では、最難関公立は小学5〜6年生からです。
最難関公立を目指す場合、塾に求める機能は「選抜制のクラスで5教科の得点力を上げること」と「入試直前期に本番形式の演習を積めること」の2つです。志望校の大枠をいつ決めるかは志望校を決める時期を学年別に整理した記事、通塾を始める学年と塾代の見積もりは志望校レベル別に塾代を逆算した記事で扱っています。
この章のキーポイント
千葉県の公立入試は、2日間の5教科(各100点)と学校設定検査、調査書(評定合計×K)の総得点で決まる。県立千葉・県立船橋はK=0.5・作文10点で、評定1段の差は0.5点。普通科は住んでいる学区と隣の学区、理数科は県内全域から出願できる。
県立千葉・県立船橋を目指す塾の候補と、学校ごとの並び
合格者数は各社が自社の基準で数えて公表している値で、集計した時点も数える範囲もそろっていません。ここでは人数をそのまま優劣にせず、学校ごとの人数、両校の最寄り駅(本千葉駅・東船橋駅)に向かう路線上の校舎、難関校向けのクラスの3点で候補を並べます。臨海セミナーは次の章で詳しく扱います。
京葉学院は千葉高85名・県立船橋高49名、千葉駅と船橋駅の駅前に校舎
京葉学院は、2026年春の公立高校の合格者を千葉高85名、県立船橋高49名と公表しています。千葉高については「12年連続県内No.1」「合格者の2.8人に1人が京葉学院生」と表示しており、これは同社の表示です。合格者は受験学年の直前期に在籍した生徒で、講習生・テスト生は含まないと注記しています。県立千葉の入学許可候補者240名に対して85名は約35%にあたります。
校舎は、千葉駅西口から徒歩1分の千葉校、船橋駅から徒歩1分の船橋校など、千葉市内だけで12か所にあります。県立千葉高をはじめとする難関校を目指す受験生向けに「難関トップ答練」という模試も案内しています。
出典:京葉学院「2026年 合格実績」(公立高校入試の画像、4月4日現在の表示)/同「校舎案内」/同「難関トップ答練のご案内」(2026年11月1日確認)
市進教育グループは千葉高37名・船橋高76名、数え方はグループ合計
市進教育グループは、2026年春の千葉県公立トップ高校の合格者255名のうち、千葉高37名、船橋高76名と公表しています。この人数は、市進学院のほか個別指導の個太郎塾や映像授業の受講生など、グループの複数のブランドを合わせた数です。受験直前の6か月間に在籍し、30時間以上受講した生徒などを数えると、数え方も公表しています。
市進学院の船橋教室は、JR・東武線の船橋駅北口から徒歩2分です。数え方が1つの塾の在籍生と異なるため、他社の人数と並べて多い少ないを比べるときは、この違いを差し引いて読んでください。
出典:市進教育グループ「2026年度 高校入試合格実績」/市進学院「船橋教室」(2026年11月1日確認)
評定が崩れた教科に絞って個別指導を足す組み方
両校とも、評定1があると審議の対象になります。集団授業で5教科を進めながら、提出物の遅れで評定が下がりそうな教科や、作文の練習だけを個別指導で補う組み方は、内申の守りを固めたい家庭に合います。個別指導を選ぶときは、作文を誰が添削するのか、学校の定期テストの範囲に合わせて教えてもらえるのかを、入る前に確かめてください。
県立千葉と県立船橋で、候補の並びが変わる理由
| 学校 | 1番目の候補 | 2番目の候補 | 3番目の候補 | 併用 |
|---|---|---|---|---|
| 県立船橋 | 臨海セミナー(42名。船橋駅・西船橋駅・津田沼駅にESC) | 市進教育グループ(76名・グループ合計。船橋駅北口徒歩2分) | 京葉学院(49名。船橋駅徒歩1分) | 個別指導 |
| 県立千葉 | 京葉学院(85名。千葉駅西口徒歩1分、千葉市内12か所) | 臨海セミナー(8名。千葉駅徒歩6分の小中学部) | 市進教育グループ(37名・グループ合計) | 個別指導 |
県立船橋で臨海セミナーを1番目にしたのは、42名の合格者を出していることに加え、東船橋駅をはさむ船橋駅と津田沼駅の両方、さらに西船橋駅に選抜制のESC難関高校受験科を置き、船橋校で千葉・船橋・東葛飾向けの講座を開いているためです。合格者数は市進教育グループの76名が多いものの、グループ合計で数え方が異なり、駅前の選抜クラスという点で臨海セミナーが劣るとは言えません。
県立千葉では、京葉学院の85名と臨海セミナーの8名に大きな開きがあり、千葉市内の校舎の数と千葉駅前の校舎の近さでも京葉学院が上回ります。そのため県立千葉では京葉学院を1番目にし、臨海セミナーは、千葉駅の小中学部から総武線で船橋・津田沼の選抜クラスにつなげられる点を決め手に2番目に置きました。

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受験・学校選び ── 元教室長が教える後悔しない塾の決め方
逆算の8ステップの4段目は、推奨する塾の類型に当てはまる塾を3〜5校書き出す工程です。合格者の数え方が塾ごとにそろわない地域で、どの数字を同じ物差しとして使い、どこから先を説明会と体験授業に回すのか。候補の書き出し方を、書籍で手順として整理しています。
上の表は、志望校から逆算して塾を書き出す4段目にあたります。表の候補を資料で見比べ、説明会と体験授業で確かめるところまでの流れは、藤原メソッド(志望校決定編)にまとめています。
この章のキーポイント
合格者数(2026年・各社公表)は、県立船橋が市進教育グループ76名(グループ合計)・京葉学院49名・臨海セミナー42名、県立千葉が京葉学院85名・市進教育グループ37名・臨海セミナー8名。県立船橋は臨海セミナー、県立千葉は京葉学院を1番目の候補とし、根拠は人数・駅前の校舎・選抜クラスの3点。
臨海セミナーは県立船橋に42名、駅前3校舎の選抜クラスと御三家講座で準備する
臨海セミナーは、千葉県では船橋市・市川市・千葉市・柏市・松戸市などに教室があります。県立船橋については学校のある船橋市の中に選抜クラスを3か所持ち、県立千葉については千葉市内の小中学部から通い始める形になります。2校で使い方が変わるので、学校ごとに分けて書きます。
県立船橋への42名と、東船橋をはさむ船橋駅・津田沼駅の選抜クラス
42名
県立船橋の合格者(2026年度・同社公表)
38名
前年の県立船橋の合格者(2025年)
6校舎
船橋市内の校舎
3か所
船橋市内のESC難関高校受験科
臨海セミナーの県立船橋の合格者は、2025年の38名から2026年は42名に増えました。県立船橋の入学許可候補者は普通科・理数科を合わせて360名なので、42名はおよそ8.6人に1人にあたります(筆者計算)。同じ第2学区では、薬園台42名、船橋東34名、津田沼43名も公表しています。
| 校舎 | 駅から | 置いているコース |
|---|---|---|
| 船橋校 | 船橋駅から徒歩6分(個別指導は徒歩4分) | 小中学部・ESC難関高校受験科(中2・中3)・個別指導・中学受験科 |
| 津田沼校 | 津田沼駅から徒歩2分 | 小中学部・ESC難関高校受験科(中3)・個別指導・大学受験科 |
| 西船橋校 | 西船橋駅から徒歩3分(個別指導・大学受験科は徒歩1分) | 小中学部・ESC難関高校受験科(中2・中3)・個別指導・大学受験科 |
| 薬園台校 | 薬園台駅から徒歩1分 | 小中学部・個別指導 |
| 北習志野校 | 北習志野駅から徒歩9分 | 小中学部・個別指導 |
| 馬込沢校 | 馬込沢駅から徒歩2分 | 小中学部 |
県立船橋の最寄りの東船橋駅は、総武線で船橋駅と津田沼駅の間にあります。ESCのある船橋校と津田沼校は、どちらも東船橋駅から1駅の駅前です。中学校の通学圏が船橋駅側でも津田沼駅側でも、学校のある方向に向かう途中で選抜クラスに通えます。船橋校と西船橋校のESCは、紹介文で「千葉御三家(千葉、船橋、東葛飾)を始めとした難関公立高校の対策」を掲げています。
ESC難関高校受験科は入室テストのある選抜制のクラスで、中学校の学習指導要領にとらわれない独自のカリキュラムで公立トップ校と難関国私立高校を目指すと同社は説明しています。船橋校ではアサヒ船橋ビルの東館に小中学部とESC、西館に個別指導が入っているので、5教科の得点力はESC、評定の崩れた教科は個別指導、という分け方も同じ駅の中でできます。
出典:臨海セミナー「高校入試 合格実績」/同「船橋市の教室一覧」/同「船橋校」/同「津田沼校」/同「西船橋校」(2026年11月1日確認)
千葉御三家を掲げる日曜集中特訓と、中3向けの無料のオープン模試
2026年度の案内では、臨海セミナーは千葉県の公立上位校向けに次の講座・模試・相談会を開いています。日程は年度ごとに変わるため、申し込む前に公式ページで最新の案内を確かめてください。
- 渋谷幕張・市川・国立大附属・千葉御三家日曜集中特訓:千葉・船橋・東葛飾や渋谷幕張・市川・国立大附属などの難関高校を目指す中3が対象。5教科を日曜の9時30分から18時まで、会場は船橋校と新松戸校。2026年度は9月から1月までの全10回で、受講前テストと入塾手続きが必要
- 千葉県公立御三家オープン模試:千葉・船橋・東葛飾の受験を考えている中3が対象の無料の模試。会場は千葉県内の小中学部の各教室とESCの6校舎(柏・新松戸・津田沼・西船橋・船橋・八柱)で、自宅受験もできる。2026年度の案内では最終受験日が12月5日
- 千葉県難関高校 個別相談会:臨海に通っていない中2・中3が対象で、千葉・船橋・東葛飾などの合格に向けた相談をESCの千葉の各教室で受けられる。電話やメールでの相談もできる
出典:臨海セミナー「千葉御三家日曜集中特訓」/同「千葉県公立御三家オープン模試」/同「千葉県難関高校 個別相談会」(2026年11月1日確認)
県立千葉への8名と、千葉駅の小中学部から始める通い方
臨海セミナーの県立千葉の合格者は、2025年の5名から2026年は8名で、同社は「過去最高タイ」と表示しています。県立千葉の入学許可候補者240名の約3%で、京葉学院の85名とは大きな差があります。この差は数字のとおりに受け止めてください。
千葉市内の臨海セミナーは、千葉・蘇我・都賀・稲毛海岸・新検見川・幕張本郷・海浜幕張・鎌取の8校舎で、いずれも小中学部です。千葉校は千葉駅・京成千葉中央駅からそれぞれ徒歩6分で、県立千葉の最寄りの本千葉駅とは1駅の距離です。千葉市内にはESC難関高校受験科がないため、選抜クラスで学ぶ場合は、総武線で津田沼校(中3)か船橋校(中2・中3)に通うことになります。御三家オープン模試は千葉市内の小中学部でも受けられるので、中3の秋に今の位置を確かめる使い方もできます。
出典:臨海セミナー「高校入試 合格実績」/同「千葉市の教室一覧」/同「千葉校」(2026年11月1日確認)
臨海セミナーを候補にするときに教室で確かめること
臨海セミナーの弱いところは、県立千葉の合格者数がまだ1桁であることと、千葉市内に選抜クラスがないことです。一方で県立船橋については、学校の最寄り駅の両隣にESCを置き、千葉の公立上位校に絞った講座と模試を用意しています。体験授業や相談会では、次の3つを聞くと判断しやすくなります。
- ESCの入室テストの時期と、中2から中3に上がるときのクラスの決め方
- 作文(県立千葉は600〜800字・60分、県立船橋は500〜600字・50分)を誰が、何回添削してくれるか
- 理数科を考える場合、数学・理科の演習量を5教科の中でどう配分するか
この章のキーポイント
臨海セミナーの2026年度の合格者は県立船橋42名(2025年38名)・県立千葉8名(同5名)。船橋市内6校舎のうち船橋校・西船橋校・津田沼校にESC難関高校受験科があり、船橋校で千葉御三家向けの日曜集中特訓を開く。千葉市内の8校舎は小中学部で、選抜クラスは津田沼校・船橋校に通う。
よくある質問(FAQ)
県立千葉高校の偏差値は、新教育研究協会の模試による合格可能性80%の値で75です(インターエデュ掲載、2026年11月1日確認)。令和9年度入試は学力検査500点・調査書67.5点・作文10点の総得点577.5点で順位をつけ、学力検査が総得点の約87%を占めます。優先するのは5教科の当日点で、調査書は評定1段の差が0.5点にとどまるため、9教科で評定1を出さないことと作文で字数・内容の両方を満たすことを守ったうえで、残りの時間を学力検査の失点を減らす演習に回します。
県立船橋高校の偏差値は、新教育研究協会の模試による合格可能性80%の値で普通科72・理数科71です(インターエデュ掲載、2026年11月1日確認)。普通科は学力検査500点・調査書67.5点・作文10点の577.5点満点、理数科は数学と理科の得点を1.5倍して学力検査を600点満点にするため、総得点は677.5点満点です。理数科では数学・理科の1点が1.5点になり、2教科で学力検査の半分の300点を占めます。
令和8年度は、県立千葉が受検者321名に対して入学許可候補者240名で約1.34倍、県立船橋の普通科が受検者597名に対して320名で約1.87倍、理数科が82名に対して40名で約2.05倍でした(千葉県教育委員会の公表値から計算)。前年度は県立千葉が約1.26倍、普通科が約1.72倍、理数科が約1.58倍で、3つとも上がっています。
県立千葉高校と県立船橋高校の調査書は、9教科・3学年の評定の合計135点に0.5を掛けた67.5点満点で、評定が1段違っても総得点では0.5点の差です。オール4とオール5の差は13.5点で、学力検査の13.5点と同じ重さです。両校とも学校設定検査は作文10点だけで、総得点の9割近くを学力検査が占めます。ただし評定1がある場合は審議の対象になると両校とも定めています。
県立船橋高校の理数科に出願するとき、同じ学校の普通科を第2希望にできます。千葉県の実施要項は、同一高校・同一課程の異なる学科を第2希望にできると定め、第2希望の選抜は第1希望を優先させることを原則としています。普通科の学区は住んでいる学区と隣の学区に限られますが、理数科は県内全域から出願できるので、第2希望を書く前に、普通科の学区の条件を満たしているかを中学校で確かめてください。
県立船橋高校を目指す塾の1番目の候補は臨海セミナーです。2026年度の県立船橋の合格者を42名(2025年38名)と公表し、東船橋駅をはさむ船橋駅と津田沼駅、さらに西船橋駅の3か所に選抜制のESC難関高校受験科を置き、船橋校では千葉・船橋・東葛飾などを目指す中3向けの日曜集中特訓も開いています。市進教育グループ(グループ合計76名)と京葉学院(49名)も船橋駅の近くに教室があり、評定の崩れた教科は個別指導で補う組み方もあります。
県立千葉高校を目指す塾は、学校別の合格者数を公表している京葉学院・臨海セミナー・市進教育グループの3つに、個別指導の併用を加えた範囲まで絞れます。1番目の候補は京葉学院で、2026年春の千葉高合格者を85名と公表し、千葉駅西口徒歩1分の千葉校を含めて千葉市内に12か所の校舎があります。2番目の候補は臨海セミナーで、2026年度の県立千葉の合格者は8名(2025年5名)と人数では開きがありますが、千葉駅徒歩6分の千葉校の小中学部から、総武線で船橋校・津田沼校の選抜クラスと千葉御三家向けの講座へつなげられます。3番目の市進教育グループはグループ合計37名を公表しています。
まとめ
県立千葉高校と県立船橋高校は、学力検査・調査書・作文の総得点で合否を決める千葉県の公立高校で、合格可能性80%の偏差値は県立千葉75、県立船橋の普通科72・理数科71です(新教育研究協会、インターエデュ掲載)。令和9年度は両校とも調査書を評定合計×0.5の67.5点、作文を10点とし、総得点の9割近くを学力検査が占めます。
令和8年度の受検者は、県立千葉が募集の約1.34倍、県立船橋の普通科が約1.87倍、理数科が約2.05倍で、3つとも前年度より上がりました。県立船橋の理数科は数学・理科を1.5倍して数え、県内全域から出願でき、普通科を第2希望にできます。
対策の重点は、評定1を出さず作文で字数と内容を満たす守りを固めたうえで、5教科の失点を減らすことです。塾の候補は学校ごとに変わり、県立千葉では京葉学院(千葉高85名)を1番目、臨海セミナー(8名)を2番目にしました。
県立船橋を目指すなら、臨海セミナーが1番目の候補です。2026年度に42名(2025年38名)の合格を公表し、東船橋駅をはさむ船橋駅・津田沼駅と西船橋駅の3か所に選抜制のESC難関高校受験科を置いています。船橋校では千葉・船橋・東葛飾などを目指す中3向けの日曜集中特訓を開き、臨海に通っていない中3も無料の千葉県公立御三家オープン模試と個別相談会を利用できます。

元教室長の視点
藤原 誠一|日本進学教育研究機構認定 高校受験指導アドバイザー
理数科を受けるかどうかを決めるときは、模試の偏差値の合計より、数学と理科の答案の安定感を見てください。2教科が1.5倍になると、得意な子には追い風ですが、計算ミスや時間切れが出やすい子には失点も1.5倍で返ってきます。直近3回の模試で、数学と理科の点数の上下の幅が他の3教科より小さいなら、理数科で勝負する意味があります。幅が大きいなら、普通科を第1希望にしたうえで、数学の答案の作り方から整えるほうが合格に近づきます。